2013年10月10日

小豆島石の魅力創造シンポジウム2日目

2日目は9:00に集合してジオサイト探訪のつづき。
天狗岩丁場から見てまわりました。
天狗岩丁場は大坂城の石垣に使われる石が切り出された有名な場所です。


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《中村博司さん(前大阪城天守閣館長)》


二代将軍徳川秀忠が1619年、豊臣大坂城をしのぐ新しい大坂城の築城を命じ、
効率よく整形された石材を準備できる瀬戸内海の島々の花崗岩が選ばれました。


なんといっても天狗岩丁場跡のシンボルは、山中にそそり立つ、高さ17.3m、重さ1,700トンの大岩、
大天狗岩です。


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さらに登っていくとまだまだ、残石が出てきます。


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《横山俊治(日本応用地質学会中国四国支部支部長)》


石には、藩主などの刻印が記されています。


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天狗岩丁場の残石にのこる黒田家と同じ刻印を、現在の大坂城で探してみるのも面白いかもしれません。


その後は天狗岩磯丁場へ。


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《津村宏臣さん(同志社大学文化遺産情報科学研究センター長 文学博士)》


2012年から同志社大学文化遺産情報科学研究センターと小豆島町は、国指定史跡『天狗岩丁場』を
中心とした、小豆島町および東瀬戸内海沿岸部の石切丁場および石材加工の技術史や
海運運搬技術などに関する総合共同研究を開始しています。


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天狗岩磯丁場の波に打ち寄せられながら存在する残石のようすもなかなか神秘的です。

つづいて、花崗岩の割れ方の研究をされている藤田先生が説明してくれました。


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《藤田勝代さん(深田地質研究所主査研究員 理学博士)》


天狗岩磯丁場の岸壁の石の表面をよく観察すると、何枚かの薄い殻のような構造が残っています。
このような多殻球状の構造は玉ねぎ状構造と呼ばれています。この玉ねぎ状構造を
つくる薄い殻のようなものは、花崗岩の節理系の一種で藤田先生が名付けられた
「ラミネーションシーティング」と呼ばれています。


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いよいよ、シンポジウムの開かれる福武ハウスへと向かいます。


到着後まずは、石切の実演を披露してくれました。
まずは電動ドリルで穴を開けていきます。


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実演してくれたのは笠井さん。
石目を読んで石を切る技術を持っている方は小豆島でも貴重だそうです。


石切りにはこんな道具を使います。


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穴を開けたところに、くぎのようなものを刺していきます。


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それを金槌でコンコンとつついていきます。


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すると、メキメキっと簡単に割れてしまいました。


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ここで一旦休憩。
お昼は福田アジア食堂特製のお弁当でした。


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チュユクサムパプという豚肉炒めと包みご飯(韓国)、はもと季節野菜のてんぷら(福田)、
アオリイカの梅肉和え(福田)、白ごはんとみょうがの浅漬け


福田アジア食堂は福武ハウスのオープンとともにはじまりました。
福田の食材を活かした各国の料理や福田の郷土料理を楽しむことができます。


お昼休みは、葺田パヴィリオンや福武ハウス内の展示を鑑賞したり
みなさん思い思いに過ごされていました。


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さていよいよ1:00からは「小豆島 石の魅力創造シンポジウム」の開始!


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今回ジオサイト探訪で案内してくれた教授たちの研究発表やパネル討論がありました。


小豆島町では今年から世界遺産化対策室を新たに設置し、同志社大学などの協力を得て
小豆島など石文化がある東瀬戸内文化圏の「世界遺産化」を目指しています。


シンポジウムはその取り組みの一環で、研究者や住民、約350人が出席されました。


東瀬戸内文化圏の「世界遺産化」を実現するためには、後世に伝えるためにも、
研究者だけでなく地元の人たちが石に興味を持ち、語れるようになることが大切だとおっしゃっていました。




ぼーの






posted by 豆子 at 11:01| 島石ナビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月09日

小豆島石の魅力創造シンポジウム1日目

1日目は、世界で活躍する講師陣が島石の秘められた魅力をジオサイトで語ってくれました。


早速、12:30から坂手、瀬戸の浜の見学開始。


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《巽好幸さん(神戸大学大学院理学研究科教授)》


瀬戸の海岸沿いには、小豆島の瀬戸内火山岩類の中で最初に活動を行った跡が残っています。
およそ1450万年前に行われていた火山活動だそうです。


つづいてバスで寒霞渓、四方指・四望頂を目指します。


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生憎の雨で霧立ち、絶景を拝むことはできませんでしたが、
山々のあいだを包む霧の様子もなかなか幻想的でした。


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《長谷川修一さん(香川大学工学部教授 理学博士)》


小豆島の火山活動の中で、最も大規模なものは寒霞渓を中心に分布する斑状の安山岩類の
溶岩流〜火砕岩です。小豆島はもともと、湖の中にあり、湖の中で溶岩が流れたものが
寒霞渓をつくっているそうです。


また、寒霞渓の岩がゴツゴツした地形は、火山が噴火して
山体が崩れたことによってできたそうです。


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こちらは四方指にある三等三角点。
三等三角点は地図をつくるときの目安になる点ですがこの石は小豆島産の石が使われています。
もともとは中国産の石が使われていたそうですが、塩田小豆島町長が国交省に行って小豆島産に
変えられたというこだわりがあります。


さらに三都半島の皇子神社へと向かいました。


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皇子神社は、海に突き出した砂州によって陸地と繋がった小島です。
小豆島全体の火山活動の中では、このあたりが一番最後の活動だったようです。
巽教授は、マントルから直接地表にマグマが噴出した『マントル直結安山岩』を島内で
はじめて発見されたそうで、「小豆島は地質学的にも世界的な"聖地"」とおっしゃっていました。
地球の謎を知る上で非常に大事な場所であるそうです。


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砂浜も他の浜とは少し違った雰囲気で黒っぽかったです。
これはマントル直結安山岩の破片が混じっているからだそうです。


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なにげなく見ていた石にこんなに深い歴史があったことに驚きの連続でした。
世界の地質学者たちが注目している小豆島の石は、これからの小豆島、日本を
主張する強力な個性となりそうです。


2日目は次回引き続き、レポートします!


お楽しみに!




ぼーの









posted by 豆子 at 16:30| 島石ナビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月03日

【お知らせ】小豆島 石の魅力創造シンポジウム

10月5日(土)〜6日(日)『小豆島 石の魅力創造シンポジウム』が開かれます。


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◆ジオサイト探訪 ◆
5日.12:00〜17:00/6日.9:00〜12:00
世界で活躍する講師陣が島石の秘められた魅力をジオサイトで語ります。

【定員】100名程度
【参加費】2000円(昼食付き-5日:弁当/6日:福武ハウス
       『福田アジア食堂』にてアジア料理)
※集合場所や集合時間など、詳細はチケットに記載します。

《探訪先》
@瀬戸の浜:小豆島の最初の水中火山活動を物語る瀬戸火砕岩類
A四方指:瀬戸内海火山岩類の噴火の中心地であり、1000万年以上の浸食で形成された渓谷美
B皇子神社:世界で初めて発見されたマントル直結の安山岩(サヌキトイド)と水中噴火口
C大坂城残石天狗岩磯丁場跡:瀬戸内海の近世海運史の鍵を握る船積遺構かもめ石
D福田体育館(福武ハウス)シンポジウム会場:石切実演(鎌倉時代より受け継がれてきた石切の技術を披露)


◆6日(日)12:15(受付開始)シンポジウム
島石の本質的な魅力を、様々な専門的見地から魅力満載でお届けします。

【会場】福田体育館(福武ハウス)
【定員】300名程度
【参加費】無料

《基調講演》13:00〜15:00
1.『なぜ讃岐ジオパーク構想が世界をめざすのか』 長谷川修一(香川大学工学部教授 理学博士)
2.『なぜ世界一のマグマ研究者が小豆島に注目するのか』巽好幸(神戸大学大学院理学研究化教授 理学博士)
3.『今日の花崗岩地質学の知識からみた大坂城改築時代の小豆島の石工の知識と技術』
藤田勝代(深田地質研究所主査研究員 理学博士)
4.『天狗岩磯丁場および海底遺構調査(大坂城残石)からわかる海洋民の"文化景観"』
津村宏臣(同志社大学文化遺産情報科学研究センター長 文学博士)

《フリーディスカッション》15:20〜16:30
古来より瀬戸内海の歴史と文化に深くつながってきた小豆島の石。その未来を語ります。

◎コーディネーター
長谷川修一

◎パネリスト
巽好幸/藤田勝代/津村宏臣/横山俊治日本応用地質学会中国四国支部長/
塩田幸雄小豆島町長

◎コメンテーター
中村博司前大阪城天守閣館長

《パネル展》
-歴史の謎をひもとく大坂城残石海中遺構調査-
協力:同志社大学文化遺産情報科学研究センター

天狗岩磯丁場などに眠る大坂城海底残石の実態や海中遺構の状況、石材運搬の方法などを
最新の情報科学によって解明。スキューバ及び最新鋭の探波装置、3Dレーザースキャン
等により調査・研究し、その成果の中間発表を昨年度に引き続き行います。


【申し込み方法 締切:9月13日(金)】
・下記の必要事項を記入の上、小豆島町企画財政課へEメールもしくはFAXにてお申し込み下さい。
  Eメール :olive-kikaku@town.shodoshima.lg.jp
FAX:0879-75-1500
・シンポジウムのみの参加の場合は、各公民館でも受付します。
・受付は先着順とし、受付完了後に参加チケットを送付します。

氏名、住所、電話番号(携帯可)、参加希望形態(ジオサイト探訪・
宿泊・シンポジウム)

※参加希望形態欄は、希望するものを選んでください。ジオサイト探訪だけの参加は、
受付ていませんのでご注意下さい。

※宿泊は、島内の宿泊施設に各自でお申し込みください。宿泊代金は、全て自己負担となります。

※詳しくは小豆島町企画財政課(0879-75-1800)までお問い合わせください。






posted by 豆子 at 18:53| 島石ナビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月09日

小豆島ジオサイト探訪 〜しし垣〜

小豆島には、しし垣を築いてきた文化があります。

今回は、小豆島の石を使った、民衆の文化のおはなしです。

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≪吉田のしし垣≫

【しし垣とは?】
猪や鹿による農耕地の被害を防ぐための対策です。
山と農地との間に、土壁や石積みで壁をつくり、獣が田畑へ侵入しないように考え出されました。

「猪垣」「鹿垣」「猪鹿垣」などと表記することもあります。

しし垣は西日本に多くみられる文化で、地域によってその文化は異なるようです。

農耕作物被害の対策としてしし垣を選ばなかった地域では、猪や鹿を狩って駆除・根絶を目指したそうです。

しし垣を築くということは、「動物たちと共存していく」ための選択だったのだと思います。


【小豆島におけるしし垣の歴史】
史料により、1750年頃には島の各地でしし垣が築き始められたことがわかっています。
史料に残っていないだけで、もしかしたらそれより前に築き始めていたのかもしれません。

1790年には、草壁村・上村の庄屋村上彦三郎が提案し、全島1周三十里(約120km)のしし垣を完成させたといいます。

小豆島の海岸線1周は約120km。その距離に匹敵するしし垣が、200年前、島の人たちの手によって作られたのです。

石のシンポジウムE.jpg
≪吉田のしし垣≫

上写真の豆子と比較してわかるように、吉田地区のしし垣は、高いところで2m以上にもなります。

石のシンポジウムF.jpg
≪吉田のしし垣≫

山側にまわり、猪になった気持ちでしし垣に突進してみました。

すると、壁は垂直ではなく、山側へ少し傾斜があり、動物が登れないよう工夫がされていたのです。

先人たちの知恵と努力に驚くばかりです。


吉田地区のしし垣は、小豆島オートビレッジYOSHIDAの敷地内にあります。

先人たちの築いた文化を、ぜひあなたの目で見てみてください。



【吉田のしし垣 地図】

大きな地図で見る


石の文化シンポジウムが開催されました
小豆島ジオサイト探訪 〜はじめに〜
小豆島ジオサイト探訪 〜池田の桟敷〜
小豆島ジオサイト探訪 〜中山の千枚田〜
小豆島ジオサイト探訪 〜豊島石〜
小豆島ジオサイト探訪 〜寒霞渓〜
小豆島ジオサイト探訪 〜石門〜
小豆島ジオサイト探訪 〜大坂城石垣石切丁場〜
小豆島ジオサイト探訪 〜大天狗岩〜





posted by 豆子 at 16:00| 島石ナビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月08日

小豆島ジオサイト探訪 〜大天狗岩〜

昨日にひき続き、小豆島の石のおはなしです。

天狗岩A.jpg
≪大天狗岩≫

大坂城石垣石切丁場のひとつ、天狗岩丁場

ここでは、種石・そげ石が大小あわせて666個も点在しています。

その中でもひときわ大きい母岩、大天狗岩

どれぐらいの大きさで、どのぐらいの重さなのでしょうか?

これまで解明されていなかった大天狗岩について、
土庄町の株式会社 アース・プランニングが、現代の測量技術によって調査をしてくれました。

大天狗岩調査.jpg

11月18日に行われた『石の文化シンポジウム』での発表によると、大天狗岩は、

高さ:17.3m  幅 : 7.8m 奥行:12.3m 体積:653㎥

そして、推定重量:1.700t という調査結果でした。

桁違いの大きさ、重さに驚くとともに、現代の技術はすごいなぁと感じます。

岩の大きさを最新の測量機器で計測し、3次元CADにて岩の複雑な形状を3次元座標に変換し、
岩の立体像を作成したのち、豆子には難しすぎる計算をした結果、体積査定をしているのです。

天狗岩B.jpg

それにしても、この大天狗岩。まだまだ謎に包まれています。

右側がくぼんでいるのは、人によって石が切り出されたとも考えられるし、自然の形だったとも考えられます。

豆子は、大天狗岩のくぼみ部分には、重なるようにもう1つ大きな岩があったんじゃないかなぁと想像しています。

技術が進むとその謎が解ける日がくるのでしょうか。それとも、永遠に謎のままなのでしょうか。

皆さまもぜひ、大天狗岩を実際に見て、この謎について想いを巡らせてみてくださいね。


【天狗岩丁場・地図】

より大きな地図で 天狗岩石丁場 を表示


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小豆島ジオサイト探訪 〜はじめに〜
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posted by 豆子 at 17:00| 島石ナビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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